風力発電を体験
校長授業参観記vol.2(10月15日)
1学期に続いて、授業の様子をレポートします。
高校3年生の理科・選択物理の授業で、「電磁誘導と電磁波」の単元です(授業者:鈴木仁宏教諭)。今日のテーマは、単元のまとめとしてサボニウス型風力発電機を製作し、エネルギーについて実体験するというもの。
まずはプロペラによる風力発電のイメージを喚起し、フィンラインドのサボニウスが発明した風車の方が効率上優れていることを説明して、すぐに組み立てに入ります。ペットボトルの利用でSDGsにも貢献しています。
次に、ブレッドボードという基板を用いて回路を作成しました。細かな作業なので、電子黒板が効果を発揮します。そして、風を送って風車を回すと、見事LEDが点灯し、歓声が上がりました。
さらにLEDをもう1つ、正負を逆にして組み込むと2つが交互に点灯しました。その様子をスマートフォンで撮影し、スロー再生で確認すると再び歓声です。
最後の課題は、交流を直流にすることです。まず回路にダイオードを組み込んで交流電流を半波整流(正電圧のみにすること)します。実験助手が回路にセンサーを取り付け、波形グラフを作成して電子黒板で確認しました。
さらにコンデンサーを組み込んで直流にし、代表生徒が風を送って波形を確認すると見事に一直線になり、一同拍手です。
生徒達の感想です。「今まで行ったことのない実験で、自分の力で電気エネルギーを作れて楽しかった」、「もっとLEDを増やして実際の照明のようにしたい」、「他の風車も調べて、どのような形が一番回転させやすいか考えてみたい」などと、これまでの数式による学習が実生活にしっかりと結びついたようです。
最後の課題には私も参加させてもらい、自作の回路で赤いLEDが点灯し続けた喜びに、科学教育の未来を実感しました。
なお、この実験は東京理科大学で行われた川村康文教授の教員免許状更新講習の内容を参考にし、本校の実験室環境に合わせて計画したものとのことです。